先日アウトサイダーアートについて少しお話ししました。
ジャン・デュビュッフェの言葉
そのときに、チラリと出てきたジャン・デュビュッフェ(1901-85)というお方。
アウトサイダーアートをご存知の方なら必ず知っているお名前でしょう。
フランスを代表する画家さんです。
アウトサイダーアートはアール・ブリュットとも言われますが、その「アール・ブリュット(生の芸術)」という言葉を生み出し、アウトサイダーアートを世に広める活動をした人でもあります。
実は「アウトサイダーアート」という言葉が生まれる20年以上も前にこの言葉を生み出しており、活動していたのです。
いいぞ!デュビュッフェ!
それまでは「精神病患者の芸術」とか「精神分裂病の芸術」などと呼ばれる事が多かった作品たち。
デュビュッフェはその作品たちを医学の分野から切り離したいと思って、新しい「アール・ブリュット」という言葉を考えたそう。
フランス語でブリュット(brut)は、加工されていない、生のままの、という意味があります。
そんなデュビュッフェの画家活動は40歳を過ぎてからだったそうだけれど、なぜかと言うとデュビュッフェが生まれたのはワインの卸売業を営む裕福な家庭で、その家業との兼ね合いで画家として歩んで行く決心がなかなかつかなかったからなのだそうです。
そしてその自分が育った上流階級の好みやブルジョア的な文化に対する反感があったらしく、こんな言葉を残しています。
私が作品を描く時には、一握りの専門家を喜ばせようなどとは思っていません。
それよりは、仕事を終えて通りを歩いている人を楽しませることができれば、と思っています。
絵にのぼせた玄人ではありません。引用・参考文献:アウトサイダー・アート(光文社新書) / 服部 正(著)
マスダの気持ち
これを見たとき、マスダはハッ!としました。
「同じや!おんなじや。。!デュビュッフェもマスダとおんなじこと考えてる。。!!」
※なぜか関西人でもないマスダが心に思った事やセリフがなまってしまうことはご了承ください。どうしてもこういう風に頭に浮かんでしまうんです。
マスダは絵の活動をするまでは、まったくそういう絵の関係の知り合いも友達も近くにはいませんでしたから、ただやみくもに活動していました。
活動していくうちに、だんだんとアート界というものの存在やコレクターさんという人がいる、ということなども知るようになりました。
でもマスダはそういう世界の中の人に認められたいと思うよりも、
ただ普通に暮らす人たち、仕事が終わってふぅ、疲れた〜ってなったときの小さな癒しだったり、心の支えだったり、そういう人たちの心の何かにひっかかるような作品を作れたら
と、ずっと思っていたのです。
いや、でも実際はどうしていいかわからないので、そういうアート界の人たちに認められなくてはいけないんじゃないか。。みたいに思ってしまった時もあり、全然行きたくもない方向へ行ってしまったりワタワタとしながら進んでまいりました。
最近やっと、自分が進みたい道、こっちだ!絶対にこっちで間違いない!という方向が定まり、そんな時にこのデュビュッフェの言葉に出会ったので、すっかりと忘れてしまっていたとても衝撃を受けたアウトサイダーアートのこと、好きだなぁと思っていた子供の絵のこと、そしてマスダが思っていた本当の気持ちを再確認出来、なんだかいろいろな本当の部分を思い出させてくれたことに感謝するばかりです。
ありがとう!デュビュッフェ!
この気持ち、思いを忘れずにさらに進んでまいりたいと思います。。!